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インターネット編(2) “HIDETCHI”

2019年11月23日 02時00分 (11月26日 13時35分更新)

◆紹介動画 次々に発信

2008年にユーチューブにアップされた「HowtoplayShogi」の動画

 <How to play Shogi>。二〇〇八年九月五日、世界最大の動画サイト「ユーチューブ」に、「将棋の遊び方」と題した動画がアップされた。将棋盤を真上から撮影した画面に男性の手が現れ、駒の配置や意味を英語で解説してゆく。「チェスのルークがFlying Chariotで飛車」。簡単なテロップを添えた約九分の動画は、十一月二十二日現在、四十五万回視聴された。コメント欄には、情報に飢えた海外将棋ファンの絶賛の言葉がズラリと並ぶ。
 動画の作者は「HIDETCHI(ヒデッチ)」のハンドルネームで活動する“謎の日本人”。NPO法人「将棋を世界に広める会」のメンバー寺尾学(57)は、日課のインターネット検索でいち早くこの動画を発見し、衝撃を受けた。本来は自分たちがすべきこと。「最初は『やられた!』と感じたけれど、圧倒的な完成度で、すぐに脱帽した。英語も自分よりずっと上手で、本当にすごい人が現れたと思った」。海外普及の決定打になると直感したという。
 寺尾は海外に培ったネットワークを生かし、この動画を熱心に宣伝した。ヒデッチにもアプローチし、仲間に引き入れた。
 「リクエストや質問をコメントで残していただければ、後のレッスンに反映できると思います」。第一弾で視聴者にそう呼び掛けたヒデッチは、短期間のうちに定跡や手筋、古今の名局解説、詰め将棋など、あらゆるテーマで次々と動画を発表していった。
 シリーズはやがて三百本近くなり、ヒデッチの名は海外の将棋ファンに知れ渡った。「将棋の国際化に一番貢献した人」。長年普及活動を続けた寺尾をして、そう言わしめる。それほど大きな影響力を持つヒデッチの“表の顔”は、トヨタ自動車に勤める会社員だった。(敬称略)
(岡村淳司)
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