再生数急上昇ソング定点観測 (2026年6月2週目) [バックナンバー]
M!LKが歌う“あなたも誰かのアイドル”という主張 / 「マチアプリンセス」が描く令和恋愛あるある / ポルノグラフィティ「みんなのうた」に大人も感動
今、盛り上がっている曲 / これから盛り上がりそうな曲について詳しく解説
2026年6月12日 18:30 3
YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週イチ連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで5月29日から6月4日にかけて集計されたミュージックビデオランキングの中から要注目トピックをピックアップします。
文
まずはこの週の初登場曲の振り返りから
今週のYouTubeのミュージックビデオランキングには、9位に
aespa「LEMONADE」ミュージックビデオ
18位は
なにわ男子「Celebrate」ミュージックビデオ
24位に登場したのは
Vaundy「飛ぶ時」ミュージックビデオ
36位には
TREASURE「IF I」ミュージックビデオ
ダンスナンバーからアイドルソング、アニメソングまで、多彩な楽曲が並んだ今週は、下記の3曲をピックアップする。
M!LK「アイドルパワー」プロモーションビデオ
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場3位
4月27日に配信リリースされた
PVはライブ映像を中心に、リハーサルやレコーディング風景、メンバーの日常や舞台裏を織り交ぜたドキュメンタリータッチの内容。円陣を組むシーンから始まり、これまでの歩みと現在地を映し出すことで、ステージ上だけではないM!LKの等身大の魅力や絆を感じさせる映像となっている。
吉本おじさん「マチアプリンセス(feat. 雨衣 & 玉姫)」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場71位
昨年、ネットミーム化した「お返事まだカナ?おじさん構文!」で一躍注目を浴びた吉本おじさん。その新曲「マチアプリンセス(feat. 雨衣 & 玉姫)」はマッチングアプリを題材にした“令和の恋愛あるあるソング”だ。
前作が“おじさん構文”と呼ばれる中高年男性のネットでの文章表現を鋭く切り取ったのに対し、本作はマッチングアプリで理想の相手を追い求める男女のすれ違いや恋愛への幻想を、コミカルかつキャッチーに描き出している。雨衣と玉姫の軽妙な掛け合いが楽曲に物語性を与え、電波ソング調のポップなサウンドと絶妙にマッチしている。
MVではマッチングアプリ画面や配信文化を思わせるモチーフを巧みに織り込み、テンポのいい映像表現とカラフルな世界観で楽曲のユーモアを増幅している。SNS時代の恋愛模様を鋭い観察眼で捉えながら、共感性も兼ね備えた1曲だ。
ポルノグラフィティ「マスク・ド・カメロ」(NHK「みんなのうた」)
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場83位
この曲ではメキシコのルチャリブレを題材に、悪役覆面レスラーの挫折や誇り、父の期待に応えられなかった息子の葛藤を描いた人間ドラマが展開される。ラテン音楽の情熱的なリズムとポルノグラフィティらしい力強いメロディが融合し、異国情緒と哀愁をまといながら物語を鮮やかに彩る。単なる応援歌ではなく、敗者や脇役の視点から人生の尊厳を見つめた歌詞が胸を打ち、濃密なドラマ性を生み出している。
このたびランクインしたのは「みんなのうた」で放送されていた映像で、制作したのは1994年からNHK Eテレで放送されているアニメ「ロボットパルタ」などで知られる立体アニメーション作家・保田克史。人形やオブジェならではの温もりと生命感を宿した映像が、レスラーの孤独や誇りを繊細に映し出し、楽曲の世界観にさらなる奥行きを与えている。
感動的な作品だとオンエア期間中から話題になっていた「マスク・ド・カメロ」だが、YouTubeにアップされたことでさらに多くの人々に知られることに。この曲が「みんなのうた」の放送曲に選ばれたことについて、YouTubeのコメント欄では「みんなのうたの『みんな』には大人も含まれてると思い知った」「この曲をみんなのうたにするのは英才教育すぎる」など称賛の声が多く書き込まれている。
- 真貝聡
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ライター / インタビュアー。雑誌やWebで執筆するほか、MOROHA「其ノ灯、暮ラシ」、BiSH「SHAPE OF LOVE」、PEDRO「SKYFISH GIRL-THE MOVIE-」といったドキュメンタリー映像作品や、テレビ特番「Mrs. GREEN APPLE ~Review of エデンの園~」にインタビュアーとして参加している。
バックナンバー
- (2026年6月4週目) やわしゅん「真・運命」で浮かび上がる関係性 / なとり「Puppet」のポップさの奥に潜む危うさ / 轟はじめがイメージ覆す妖艶イメチェンで新境地
- (2026年6月3週目) BABYMONSTERに共存する“甘さ”と“強さ” / M!LK吉田仁人の葛藤の先に見出した小さな希望 / 異例のスピードで拡散されるボカロ曲「ヤラララ」
- (2026年6月1週目) STARGLOWは“どう生きるか”を問いかける / BE:FIRST・MANATOが雨の向こうに映す希望 / 素朴すぎるラッパー・源治麿のどこが魅力?
- (2026年5月5週目) 「歌姫失格」が示す初音ミクという存在の特異性 / Aぇ! groupは不ぞろいで“でこぼこ”なのが魅力 / 櫻坂46「Lonesome rabbit」に感じる強い意志
- (2026年5月4週目) 超特急は“夢中になること”を全力で応援する / aespaに似ているけどaespaではない“別の存在” / Ado「春に舞う」はわずか3分17秒の青春映画
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Mj_ibrahim @MjelaIbrahim
@natalie_mu 今週も話題性の高い楽曲が揃い、幅広い世代の共感を集めているラインナップですね。音楽トレンドの動向を俯瞰できる興味深い連載です。