円筒形のペロブスカイト太陽電池、茶畑でソーラーシェアリング実証
電気通信大学と静岡県はペロブスカイト太陽電池を活用した新たなソーラーシェアリングの実証実験を、同県内の茶畑で開始した。急峻(きゅうしゅん)な斜面でも設置可能な「吊り橋型円筒形太陽電池モジュール」を用い、発電と農業の両立を検証する。
同大は静岡県が2025年度に実施した「次世代型太陽電池導入モデル創出業務委託事業」に採択され、菊川市にある県農林技術研究所の茶畑に、円筒形の太陽電池モジュールを設置した。26年度は年間を通じた発電量の測定と、茶葉の生育への影響を評価し、農地利用と再生可能エネルギー導入の両立可能性を検証する。
使用するモジュールは薄く柔軟なペロブスカイト太陽電池シートを円筒状に封入した構造が特徴。太陽の入射角に左右されにくく、1日を通して安定した発電が可能とされる。また、複数の円筒形電池を並べて設置することで、電池の間から太陽光や風が通過し、下部の作物に必要な光や通風を確保できる。
採用された吊り橋型構造は、強風を受け流しやすく、従来型の太陽光設備に必要だった強固な架台工事を不要にする。地盤が柔らかく、傾斜のきつい茶畑でも設置・撤去が容易で、農地への負担を抑えられる点が強みだ。
静岡県は全国有数の茶産地である一方、山間部や傾斜地が多く、太陽光発電設備の導入には制約があった。県と電気通信大は、今回の実証結果を踏まえ、県内企業と連携しながら、円筒形太陽電池の特性を生かした本格的なソーラーシェアリング事業の展開を目指す。
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日刊工業新聞 2026年05月04日