いすゞ自動車がUDトラックスを吸収合併する背景事情
いすゞ自動車は13日、完全子会社のUDトラックスを2027年度中に吸収合併すると発表した。商用車業界を取り巻く脱炭素や物流高度化などの環境変化や、ARCHION(アーチオン)誕生に伴う競合の激化を背景に、人材をはじめとする経営資源を一体化して、顧客への付加価値提供と収益力強化を加速させる。UDブランドは残す。両社の国内販売機能統合を先行させ、強固な整備ネットワークを構築して競争力を強化する。
国内販売機能の統合では主に、10月から27年4月にかけて、いすゞ子会社でエリア別広域販売会社6社に、UDの機能を統合する。13日会見した山口真宏社長は、「M&A(合併・買収)の仕上げのステージに入る」と説明した。いすゞは21年にスウェーデンのボルボ・グループからUDを買収し、商品開発や相互供給、生産面などで再編・統合を伴う連携を深化させてきた。
同日発表した27年3月期連結業績予想(国際会計基準)は、売上高が前期比6・4%増の3兆7000億円、営業利益が同27・6%増の2600億円とした。グローバル販売台数の目標は、前期比約4%増の60万3000台に設定した。
中東情勢は、調達コスト増や市況悪化影響を織り込んで、営業利益400億円の押し下げ要因となる。輸送コストの増加分は価格転嫁を検討する。中近東向け完成車(CBU)生産は7月に再開予定。山口社長は「生産は続けるが、コストは上がる」と説明した。
日刊工業新聞 2026年5月14日