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第4部 OBと語る 村上 輝久さん(ピアノ調律師 中21回) あせらず一つ一つ実行

2002年11月7日 05時00分 (9月4日 15時03分更新)
 見付中二十一回の同窓生、村上輝久さん(73)=浜松市湖東町=は、欧米人に「東洋の魔術師」とまで呼ばれたピアノ調律師。リヒテルやミケランジェリら、世界の巨匠の演奏を支えてきた村上さんに、音の魅力や芸術について話してもらった。聞き手はいずれも二年生で、ピアノで進学を目指す今福沙耶香さんと演劇の演出家を志す鈴木結(ゆう)さん。
     ◇
 -なぜ、調律師になったのですか(今福)。
 「音が好きだったのと、機械いじりが好きだったから。家に調律師が来て、ピアノの中を見せてもらって『へえー』と興味を持った。たまたま募集があって、応募しました。専門にピアノや音楽を勉強したわけではないですよ」
 -ピアノを演奏するときは指揮者になったつもりで、十本の指という演奏家を指揮するよう指導されました(今福)。
 「その通り。いい先生ですね。あと、ピアノの名手が言うには、脱力が大切だと。力を抜いて演奏をすることだね。演劇でも同じでしょう」
 -私たちも脱力する訓練はしています。今まで聞いてきた音で、一番いい音って何ですか(鈴木)。
 「私にとっていい音と演奏家にとっていい音とは違うけど、演奏がうまく会場に響いて、聴衆が喜んでいるのが分かるときは、最高にいい音。でもそれは難しい。調律で言えば、同じ演奏家が弾くとしても、ベートーベンを弾く時とモーツァルトを弾く時とでは、調律を変えないといけない。曲や作曲家の背景も勉強していないといけないし」
 -今は自分が書いた脚本で演出をしていますが、古典も勉強するべきですよね(鈴木)。
 「そう。ジャズピアニストでも、クラシックを弾かせると非常にうまい。まだ若いのだから、全部を一度に勉強しようとしなくていい。今一番やりたいことを一生懸命学べば、他のことも自然とできるようになりますよ。あせらないで一つ一つ行動に移すことが大切ですね。演劇の世界も音楽の世界も同じ。こういう話ができるのはうれしいね。将来が楽しみです」
磐南を語る 3年 埋田 綾乃さん
 この磐南に入学してから二年半がたちます。この間に得たものはいろいろあるけど、やっぱり一番初めに思い出すことといえば、友だちとのやりとりです。いつでも言えることだけど自分に合う人、合わない人がいる中で、自分を見直すことも大事に思えるようになりました。結構自分では成長したと思っているので、この磐南でこれからもできる限り成長していけたらと思います。私にとってもっと大きくなれる場所が、この磐南です。
(文中敬称略)
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